CP+2017 レポート 中判カメラ3種 VS フルサイズ・Sony α7RII その1

CP+2017の調査をもとに、中判カメラFujifilm GFX 50S、Pentax 645Z, Hasselblad X1Dの3種とフルサイズ・Sony α7RIIを比較します。

Pentax 645Zはミラーありの一眼レフ、その他はミラーレス。中判カメラにミラーレスの波が押し寄せました。 
今回紹介する中判カメラのセンサーサイズはフルサイズの約1.7倍、APS-Cの約3倍、マイクロフォーサーズの約6.4倍に相当する。中判と言っても色々な大きさがあるようですが、今回の3種のセンサーサイズはほとんど同じで、43.8 x 32.9mm、約5140万画素。どうやらいずれも同じソニー製ではなかろうかと思うのです。
対するSony α7RII フルサイズセンサーの画素数は4240万画素で中判カメラ・センサーとの違いは約1.2倍しかありません。値段においては、FujifilmとPentaxはSony α7RIIの約2倍で、70万円、Hasselbladにいたっては3倍以上の違いがあります。Sony α7RIIを2台持って、これを軸に動いてきた当方にとって、中判カメラを購入する意義が本当にあるのだろうか? これが、今回CP+2017の最大の興味です。

その1はFujifilm GFX 50Sのレポートの前半
フジフィルムのブースの半分は中判カメラGFX 50S関連にあてられていました。中判カメラの需要なぞ現実的には微々たるものですが、フジフィルムの威信がかかっているかのような力の入れようです。 実際、GFX 50Sのタッチ&トライは40~50分待ちで、この会場では最も持ち時間の長い列でした。 当方もトライ。

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm

今回、当方の持って行ったカメラはFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm と12mmでした。ということでFujifilmのカメラでAPS-Cと中判カメラの比較をすることが出来ました。まずは決定的写真から。

以下、Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macro で、実際に当方が撮った写真です。

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macro

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macro

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macro

前の絵のトリミング拡大。 とっても魅力的な絵になりました。

Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ  GF32-64mmF4 R LM WR 現在、広角レンズはこのズームしかありません。今度は広角で撮影。

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Fujifilm GFX 50S +フジノンレンズ  GF32-64mmF4 R LM WR

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Fujifilm GFX 50S +フジノンレンズ  GF32-64mmF4 R LM WR

前の絵をトリミング拡大。

条件の悪い広角レンズの拡大ですら、ガラスやネックレスの輝きを魅惑的に見せています。当然、フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macroの方がより魅力的です。なぜ、中判カメラが魅力的絵を生み出すのかは、後程述べます。

次はFujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF63mmF2.8 R WR  標準レンズでポートレート撮影。お姉さんがちゃんとこちらを向いて微笑んでくれます。

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF63mmF2.8 R WR

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF63mmF2.8 R WR

上の絵をトリミング拡大。ビックリでしょう。文句なくきれいな肌の質感が出ています。

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm

同じ場面をFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mmで撮影。

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm

前の絵をトリミング拡大。後で述べるようにFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mmはとっても優れた描写をしているのですが、中判と比較すると明らかな違いが見えます。

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macro

次に再びFujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macroで花を撮影。

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Fujifilm GFX 50S + フジノンレンズ GF120mmF4 R LM OIS WR Macro

前の絵をトリミング拡大。見事に小さな花をとらえています。

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Fujifilm GFX 50S +フジノンレンズ  GF32-64mmF4 R LM WR

こちらはFujifilm GFX 50S +フジノンレンズ  GF32-64mmF4 R LM WR ズームで標準撮影

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Fujifilm GFX 50S +フジノンレンズ  GF32-64mmF4 R LM WR

前の絵のトリミング拡大。ズームでも肌の質感は出ています。

以下、フジフィルムブースに展示されていた、Fujifilm GFX 50S の撮影サンプルをFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mmで撮影したもの2枚。この絵に魅力を感じるとしたら、Fujifilm GFX 50S の力と同時に、それを伝えることのできるFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm の力に感心するのです。

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm
なぜ。中判カメラが魅力的な絵を作るかは その2 で述べます。

また明日。




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自然教育園日記 その83

自然教育園日記 その83
2017-2-24

2017-2-8 ~ 2017-2-17 の写真です。
自然教育園にやっと花が咲き始めました。今年はユキワリイチゲ、フクジュソウ、セツブンソウがほぼ同時に咲き始めました。去年はユキワリイチゲがダントツに早かったのですが。
今年はユキワリイチゲは外れ年のようです。この3者はそろそろ終わりに近いですから、ご覧になりたい方はお早めに。


4種類のカメラとレンズの組み合わせでの撮影を載せます。

Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 50mm macro F2.8はとても素晴らしい。
Sony alpha7RII + Sony 135mm STF F2.8 [T4.5]とても素直な絵です。
Sony alpha7RII + Nikon: Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED 優等生的絵です。
Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 幻想的ボケが得られます。この中で一番特別な絵を作ります。
Sony alpha7RII + Sony FE 90mm macro F2.8 とっても良くできたマクロです。


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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 50mm macro F2.8

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 50mm macro F2.8

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Sony alpha7RII + Sony 135mm STF F2.8 [T4.5]

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Sony alpha7RII + Sony 135mm STF F2.8 [T4.5]

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Sony alpha7RII + Sony 135mm STF F2.8 [T4.5]

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Sony alpha7RII + Nikon: Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED

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Sony alpha7RII + Nikon: Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED

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Sony alpha7RII + Nikon: Ai AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED

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Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 +接写リング

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Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 +接写リング

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Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 +接写リング

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Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 +接写リング

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Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 +接写リング

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Sony alpha7RII + Sony FE 85mm GM F1.4 +接写リング

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Sony alpha7RII + Sony FE 90mm macro F2.8

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Sony alpha7RII + Sony FE 90mm macro F2.8

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Sony alpha7RII + Sony FE 90mm macro F2.8

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Sony alpha7RII + Sony FE 90mm macro F2.8

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Sony alpha7RII + Sony FE 90mm macro F2.8

カメラとレンズの組み合わせにより異なる絵が生まれることは楽しいことです。

アート考察  その2 近代工芸と茶の湯 II

アート考察  その2 近代工芸と茶の湯 II

2017-1-31
東京国立近代美術館の瑛九(えいきゅう)展を見に行ったついでに工芸館に寄りました。ここも無料、写真撮影OKで天国です。

撮影機材はFujifilm X-T10 + Zeiss touit 32mm

近代工芸と茶の湯 II (2016.12.17 - 2017.2.19)
<東京国立近代美術館が所蔵する近・現代工芸のコレクションの中から、“茶の湯のうつわ”をテーマに作品を選び出し、近代から現代にかけての茶の湯の造形について概観する>

当方は茶の湯にはまったくうといのですが、
1)同じ陶磁器作家さんが作った作品でも、一般の使い方の陶磁器に対して、茶の湯関連の陶磁器になると値段が一桁アップするということ、
2)陶磁器に大した興味ない人でも、茶の湯に関連する方は茶の湯の陶磁器に異常に反応するということ
の2点を経験しているので、<茶の湯>はなにやら特別な世界であり、見方によっては異常な世界ともいえます。


220点ほどの中で、当方が注目した16点の写真を載せます。ここに載せなかった作品には、北大路魯山人とか富本憲吉とかバ-ナード・リーチとか有名な方の作品も多々あるのですが、名前が有名かどうかは関係なく、この異常に隔離された伝統の世界に、現代的新作がどう食い込んでゆくのかが当方の興味です。

まずは茶室が3つ存在します。
インテリアデザイナー・内田繁(1943-2016)氏が制作し、ミラノ、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、オーストリアなど海外にも巡回した組み立て式の茶室です。壁ではなく、竹材など光を通す素材に囲まれた茶の湯の空間を演出しています。
外の展示物をこの茶室においた時にどういう印象を与えるかを想像してみると、その作品の持つ意味がよくわかります。

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市野雅彦  丹波赤ドベ茶器 2016

その中の一点、この重厚な茶器を見て、この存在感には圧倒されます。自然と融合する茶室空間にさらに溶け合っている作品と圧倒的に存在感を示す作品とどちらが茶の湯でもてはやされるかは知りませんが、わずか数十センチ四方の物体が、空間全体を変えてしまう様はなるほどと焼き物の力を納得してしまいます。こういう存在感のある物を作りたいものだ!
市野雅彦さんは兵庫県の現役作家。

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津金日人夢 青瓷花生 2016

いかにも現代風な作品。伝統と新鋭主張の間の融和と同時に強い緊張関係を感じます。しかし、まだまだ、もっと突き抜けるべきでしょう、伝統に妥協している。
津金日人さんは有田の青瓷作家。

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高橋奈己 白磁水指   2016
当方が興味をもった若い女流作家、高橋奈己さんは2016日本伝統工芸展にも入選(日本工芸会新人賞)し、こんなところにも登場していました(どうやら同じ作品)。今や売れっ子のようです。

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田島正仁 彩釉鉢 2016

これを選んで、後で調べたら、この方も2106日本伝統工芸展で入選(朝日新聞社賞)して、当方が最も印象的作品としてブログで紹介した作品の作家さんでした。

新しい手法を確立すると、やっぱり各界で注目される。これらは単体では魅力的だが、本当に茶の湯の現場に受け入れられるのかは当方には分かりません。本当にいいものは、きっと古い伝統の中でも存在しうるのでしょう。

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ルーシー・リー 鉢  1965

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ルーシー・リー  マンガン釉線文碗  1970

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ルーシー・リー  ピンク線門碗 1975-79

イギリスを拠点とした陶芸家、ルーシー・リーはやはり選んでしまいます。15点の内3点もルーシー・リーになってしまいました。西洋人はもともと持っているものが違うので、日本的陶器を作っても、ひとりでに異質の感覚を放つのです。現代の女性はルーシー・リーに傾倒する方が少なくありません。残念ながら、男の当方には、この女性的感性は真似しようにも真似られません。しかし、当方の作品はある意味、西洋的感覚を陶器に持ち込むことにより、伝統で固まった日本陶磁器の世界を脱出しようとしているのですから、スシー・リーは先生でもあるのです。
ルーシー・リーとバーナード・リーチの対立と和解の物語はおもしろい、どこかで紹介しましょう。-

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岩田藤七 水指彩光  1976  ガラス 宙吹き 

陶磁器のような風貌の中にガラスの色と質感を表現していることに驚きます。吹きガラスで手法的に当方には全く手がでませんが、この感覚は何とか取り込みたいものです。当方はガラスにも足を突っ込んでいるので、ガラス作品もアイデアを得るソースとなりえるようになりました。

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加藤考造  瀬戸黒茶碗 昇竜  2011

多治見の数人いる加藤姓の人間国宝の内の一人。この黒瀬戸に文句をつける人はいないでしょう。

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三輪壽雪(十一代休雪) 鬼萩茶碗 1989

三輪壽雪は萩焼の人間国宝。

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辻 清明   信楽自然釉茶碗  1992

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磯井正美  蒟醤(さんま)梅文干菓子盆   漆器 蒟醤

<さんま>は、丹念に塗り重ねた漆の表面を、ケンという特殊な刀で模様を線 彫りし、そのくぼみに色漆を埋めて乾いたのちに磨き仕上げる技法です。磯井正美さんは高松の人間国宝。<さんま>はもとは中国地方が発祥の地であるが、讃岐漆器と言われるように高松藩(香川県)で育った工芸。京都の伝統工芸展で初めて出会った<さんま>は、古き伝統にもかかわらず、その現代的感性をうならせる魅力に大きなインパクトを当方に与えている。 

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人間国宝・巨匠コーナー 藤土師萌 辰砂葡萄文耳鶴首花瓶 1942

茶の湯とは独立したこのコーナーでは人間国宝の作品で朱色をはじめ、赤系の色合いが感じられる選りすぐりの名品を紹介しています。

藤土師萌(かとうはじめ)、この方も岐阜県(瀬戸)・加藤姓・人間国宝の一人。辰砂は水銀系釉薬で古くから、赤系統の色を出す貴重な釉薬。なんとも魅力的色を出す。

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人間国宝・巨匠コーナー 藤土師萌 紅地金襴手菊花文飾壺 1942

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人間国宝・巨匠コーナー 青野武市 金赤被牡丹文蓋物 1994 ガラス、型吹き

近代日本を代表するグラヴィール作家の一人である青野武市(あお のたけいち)の作品。グラヴィールとは、銅盤などの回転工具でガラス表面を削り、絵画的な文様を表す技法。

気が付けば、やはり人間国宝と言われる方の作品を多く載せている結果になりました。

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美術館を出て、夕暮れの北の丸公園を歩く。今年は梅の開花が早い。

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桜の季節に、当方がよく歩く穴場、北の丸公園の千鳥ヶ淵に内接する遊歩道。この時は人っ子一人いなかった。

伝統と革新のせめぎ合いはとっても、とっても参考になりました。
近代工芸と茶の湯 IIは2月19日までやっています。ご興味ある方はおたずねください。
写真が撮れるからgoodです。

自然教育園は、ユキワリイチゲがやっと咲き始め、フクジュソウとセツブンソウの3者が同時に咲いています。カワセミ・メスは毎日飛び回り、時折オオタカが現れるという、写真ファンには悪くない状況になってきました(2017-2-17)。

アート考察 その1 2017-2-4 マリメッコ展

アート考察 その1 2017-2-4 マリメッコ展

当方の両眼が飛蚊症に陥って写真撮影で目に負担をかけないために写真撮影/自然教育園ウオーキングから、美術館巡りウオーキングに転向しました。 その後、眼科にいったところ、以前の右目はガラス体が剥離した時少々の出血があったので、視野が一時的に失われたので、血が吸収されれば視野は戻る。問題は網膜がしっかりしているかである。今回の左目も以前の右目も網膜は大丈夫、ガラス体が基底部から外れてブラブラしているから、傷口がゴミのようにブラブラ見えるのだ。飛蚊症は50歳以降だれでもなる、病気と思うな、治療法は無いから薬は出さない。UVカットサングラスは意味ない、ビタミンB12もブルーベリーもルテインも意味ない。すべて意味ない。ということでした。

しかるにガラス体は死ぬまでブラブラ、両目の蚊は飛びっぱなしということになります。
ただ、写真撮影で酷使していた右目は以前の1.2から0.7にがた落ちになっていたことはすておけない。

今後いろいろな展覧会に関して書きますが、行った順番はまったくの順不同で、気ままに書きます。これから書くことは、展覧会の紹介でも批評でもありません。自分のやるべき方向の模索過程の独り言です。

2017-2-4 (土) マリメッコ展
渋谷のBunkamuraでやっているmarimekko展に行きました。Bunkamuraということで、いやな予感がしましたが、やっぱり切符売り場は若い方で長蛇の列でした。マリメッコはフィンランド/ヘルシンキのファブリック、ドレス、インテリアのデザイン・カンパニーです。

さて、100点以上のデザイン展示のなかで、もっとも印象的であったのは下のデザインです。

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マイヤ・イソラ デザイン1959

ただの白地に黒丸、その周囲がわずかに角ばっている。この角ばりがとっても意味があると思うのです。

さて、本題に入る前に、当方の常に持っている論点である、<自然との対立か、融合か> <西洋文明と日本文明>について述べます。これがマリメッコの理解にはとても重要なのです。

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バルセロナ/スペイン カサ バトリョ/アントニ・ガウディ

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バルセロナ/スペイン     アントニ・ガウディ

スペインのガウディは自然の持つパターンを原点とする建築デザインを展開しました。これらは世界遺産にもなっているように、現在も大きな影響力をもって受け入れられています。

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旧郵便局・ブタペスト  レヒネル・エデン

ほぼ同時代にスペインから遠く離れたブタペスト/ハンガリーのレヒネル・エデンもガウディ―とよく似た有機的デザインを展開しました。

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旧郵便局/ブタペスト レヒネル・エデン

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ブタペスト/ハンガリー  マーチャーシュ教会

ハンガリーの土着文化はゴシック建築に対抗して、ぎりぎりの自己文化の主張を盛り込んだキリスト教・教会、マーチャーシュ教会を建てました。

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ブタペスト/ハンガリー  聖ビート教会

キリスト教は制圧した土地に、その権威の象徴であるゴシック建築の教会を建て、キリスト教の名のもとに、マジャール人の土着文化を威圧してきました。この聖ビート教会・ゴシック建築が周囲のハンガリー文化に割り込んで威圧している様子がみてとれるでしょう。

日本人は明治以降、近代化という名目で、約150年間、西洋文化を絶対的にあがめてきた。我々には西洋文明/キリスト教は絶対的に善であるように刷り込まれているのです。

最近見た映画<沈黙>(原作:遠藤周作)は江戸時代の長崎/五島列島における宣教師のキリスト教・布教とキリスト教禁止令を実行する幕府とのせめぎあいの話ですが、キリスト教側からの上から目線の描き方(監督:マーティン・スコセッシ)で、きっと日本では受けないに違いありません。今必要なのは、反対側からの視点と思うのですが。

これを書いてから、監督の<沈黙>に対する思いを読んでみたら、当方の印象に反して、正に西洋式キリスト教の暴力を批判し、「今、一番危険に晒されているのは、ここ5年ほどに生まれた若い世代です。勝者が歴史を勝ち取っていく世界しか知らない。世界はそういうものだと思ってしまってはいけません。また、物質的・技術的になった今の世界だからこそ、人を信じるという心を真剣に議論すべきなのです。」といっています。正に反対側からの視点で描いたといっているのです。 しかし、 監督がいくら頭で思っても、体に刷り込まれた西洋・キリスト教の感覚と、当方の東洋の感覚にずれがあったのかもしれません。ご興味ある方はご自分でご覧ください。

キリスト教は常に侵略的であり、排他的です。われわれにはキリスト教的刷り込みがはげしく、対立するユダヤ教やイスラム教の立場からの視点を想像できないほどです。例えば十字軍の行った反キリスト教信者に対する大虐殺などはその反対側から見るとどうなるかは考えたことも無いのです。

しかし、そんな150年にわたる近代化の流れの中でも神道や仏教の感覚は脈々と日本人に流れています。

キリスト教の支配する欧米の政治・経済における行動パターンは、キリスト教では
<世界が神・人・自然の順番に配列されている>ことに起因します。動物はヒトの為に存在すると聖書には明記されており、人は一般的生物からどこまでも遠ざかる(超越する)ことを目指しているのです。自然はヒトに支配され、対立する構図が生まれます。

(トランプ現象はこの上から目線のキリスト教・ドグマの一方的押し付けによって生じたアツレキがはじけて、このドグマを叩きのめすことによりその矛盾の解決を試みている。)

一方、神道/仏教は常に人は自然の一部であり、人は自然と同化することを目指しています。

(この西洋文明・キリスト教至上主義と神道/仏教の自然融和主義の双方を合わせ持つ日本人はキリスト教とトランプ現象の真ん中に入ってどういう道をとるのでしょう。)

トランプはさておいて、

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浜離宮庭園からのビル群

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東御苑からのビル群

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最近美術館めぐりの中間点としてうろうろしている六本木ヒルズ

都会のビル群を見れば、欧米的近代化の先端として素直に誇らしく思う人と、人が自然から離れて様を密かに恐ろしく感じて、なんとかこの様そのものを自然として受け止めて自分をだましてしまおうとする人、あるいは諦めてじっと耐える人がいるだろう。

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ちなみに六本木ヒルズに巨大なクモのオブジェイがあります。少しでも人を自然に留めておきたいあがきの表現と思うのです。

近代化=キリスト教・ドグマ=自然から人を引き離す
よって、近代アートは、無機的に、モノトーンに、曲線より直線に。しかし一方で常に自然から離れることを恐れ、その間で揺れ動く。

さて、ながいながい前置き後にマリメッコ展にもどります。 なぜ、フィンランドのマリメッコはひとびとに受け入れられたのだろうか? 長い切符売り場の列が示すように、日本人、特に若い人はマリメッコのデザインが好きなのです。

そのデザインはシンプルで、一見、キリスト教的、自然と対立する無機的デザインであるかのように見えて、その根底は強く自然と結び付いています。白地に黒玉におけるわずかな角ばりが自然との結びつきを暗示すると思うのです。

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マイヤ・イソラ デザイン 1961

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マイヤ・イソラ デザイン 1964

マリメッコのデザイナーは複数いて、入れ替わりながら商品を作っています。 上2点のようなとてもシンプルなデザインと、下2点のような、かなり自然を直接表すデザインの間を揺れ動いています。

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アイノ・マイア・メッツオラ デザイン 2012

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マイア・イソラ デザイン 1926

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石本藤雄 デザイン 1986

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石本藤雄 デザイン 1986

日本人のデザイナーも活躍しており、上2枚のデザインは日本着物的方向を織り交ぜているのでしょう。 上のデザインは水面に浮かぶ染料のパターンから起こしたと思われますが、当方の追いかける水面/波パターン撮影で何度も出会っているパターンです。実はこのパターンは当方のおいかける中核的パターンなので、マリメッコでも取り上げていることはうれしいことです。さらにこのデザイン化の手法は、マリメッコ展で2番目に当方に迫って来た絵なのです。

日本の伝統文化はもともと自然と融合することを目的としており、自然を表現するにはなにも苦労することがないのです。むしろ、近代的感覚にどうやってマッチさせるかのほうが課題となるのです。ここにもマリメッコ理解のヒントがあります。

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脇坂克二 デザイン  1973

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マイヤ・ロウエカリ デザイン  2009

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脇坂克二 デザイン 1971

上3点のように<自然イメージ>と<シンプルデザイン>のほどよい融和デザインはマリメッコの神髄を表しているように思います。

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ペンツティ・リンタ デザイン 1974

上のデザインのように多くの色を使う場合もありますが、当方には下のデザインのように色を3色に、意図的に限定する方向が大変印象的です。十分計算された、限定された色において、人を引き込む方向は、当方の発想を転換する強烈なインパクトがあります。

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アンニカ・リマラ デザイン 1967

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アンニカ・リマラ デザイン 1967

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アンニカ・リマラ デザイン 1967


上の2点は一つのモチーフのバリエーションで多くのデザインを生んでゆく手法の例ですが、この手法も印象的です。

少ない色、一つのモチーフの使いまわし、これらは全くの逆転の発想です。なぜこれで人を引き付けられるのだろうか? そこには自然に深くはったの根っこの存在に大きな意味があるに違いありません。

ヒトから離れて無機的に走る近代的(すなわちキリスト教的)デザインの方向と、その逆のヒトの自然への憧れの深い根っことの融合を、少ない色と一つのモチーフで達成するとは、なんということでしょう! 言ってみれば、思いっきり自然を根っことしたモチーフをシンプルにすることによって、近代的に見せるということになります。これがマリメッコの秘密の手法なのでしょう。

フィンランド人に根差した自然への感覚をシンプル化によりモダン化した流れと、マリメッコ初の外人デザイナーが森脇克二という日本人であった、つまり同じように自然に融合する感覚の持ち主である日本人が一番この流れに乗りやすかったということである。そして、日本の若い方がマリメッコが好きであることは無論、世界中がマリメッコを愛したということは世界中が結局は自然から離れられないことを意味している。

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マイヤ・イソラ デザイン1964

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マイヤ・イソラ デザイン1964

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アイノ・マイア・メッツオラ デザイン 2012

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マリメッコ展はこれでおしまいです。写真は全てマリメッコ展カタログからのコピーです。写真が汚くてすみません。




自然教育園日記 その82

自然教育園 その82

2017-2-3
最近おかしいなと思っていたら、突然左目に飛蚊症が発生しました。右目はすでに3年前、ひどい飛蚊症(後部ガラス体剥離)になり、その後だいたい回復したものの、今だ、目の中にいつも大きな蚊が飛んでいます。いよいよ両目に大きな蚊が飛ぶようになりました。カメラで右目を酷使して、いつ壊れるかと心配していた最中、今度は左目のトラブルで極めて憂鬱な状態に陥りました。3年前、右目は一時的ではありますが完全に外界の景色が見えなくなったのです。不思議ですね、外は見えなくてもガラス体の中のグチャグチャはちゃんと網膜に投影されて万華鏡のように見えるのです。視野が崩壊してゆく様を克明に見るというのは何とも気持ち悪い。 もし、両目が見えなくなったら何をして暮らそうか、考え込んでいます。

さて、話を戻して、2017-1-25~2017-2-1までの自然教育園日記です。
鳥撮りは標本写真になってしまうのでうんざりしており、目のトラブルがおきる前から、自然教育園に行くのがいやになっていました。 Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mmにプラスして Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 50mm macroを持って、マクロ撮影を試みてはいるものの、元気になる動機付けが生まれません。

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 50mm macro  水面の枝パターン

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Fujifilm X-T10 + Zeiss touit 50mm macro 水面の木漏れ日パターン

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm  水面の氷パターン

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm コゲラ

こういう写真なら鳥撮りも歓迎だ。少しずつ鳥標本写真から進歩しているかもしれない。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

水生植物園でジョウビタキを追いかけていたのは、ここにたむろするこのヒヨドリらしい。縄張り争いだろう。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ジョウビタキ

これがヒヨドリに追われているジョウビタキ。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ジョウビタキ

ジョウビタキは目をぱちくり、しっぽをピコピコととってもかわいらしいのである。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm  ダイサギとアオサギ

以下、<カワセミ百態>
このメス・カワセミは殆ど毎日、水生植物園を中心にグルグル飛び回っている。時折魚を狙うが、ほとんど獲物無し。どうやって食いつないでいるのか心配してしまう。今年は現れたオスが現在行方不明で今後のペアリングがどうなるのだろうか?

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ダイサギとカワセミ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Fujifilm X-T10 + Pentax DA 200mm

単焦点で撮ってみました。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

やっとこ、水に飛び込むカワセミを撮ったのですが、まだまだです。三脚、MF置きピンでないと無理ですね。じっと飛び込むのを待った末に飛び込まずに、ぷいっと飛んでゆくことが大半で、なんとも忍耐のいる仕事です。そこまでしても、皆さんが撮った写真と良くて同じというところが、なんとも元気でない。そこに両目飛蚊症が加わった。

一日10000歩の為に自然教育園を歩く、カメラを持って行くとカワセミが毎回飛び回っているので、やっぱり撮ってしまう。すると目が疲労する。

飛び鳥撮りで目の疲労が進行していることと両目が飛蚊症に陥いったことから、しばらくは鳥撮りを控えるしかしょうがありません。

よって、一日10000歩のやりかたを変えて、美術館を巡りながら歩くということになりました。 次回のブログからしばらく連続美術館レポートをトライしましょう。

自然教育園日記 その81

自然教育園日記 その81

自然教育園 2017-1-25,26, 29. 2-1 の写真を自然教育園日記 <その81> および<その82>の2回にわけて載せます。これが最後の鳥撮りレポートになるかもしれません。その理由は<その82>で述べます。<その81>は淡々と写真を載せます。

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FujifilumX-T10 + Zeiss touit 50mm macro

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FujifilumX-T10 + Zeiss touit 50mm macro

見上げた枝のフォルム収集。 今日(2017-2-3)行った国立新美術館での新鋭アーティストの展覧会、<DOMANI・明日展>で全く同じコンセプトの写真が展示されていました。だから、どうこういう話ではありませんが。この展覧会の詳細は後程。

以下、2017-1-25, 自然教育園を回りながら撮った順に、そのまま淡々と鳥標本写真を並べます。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ヒヨドリ

ツバキを食べるのはヒヨドリとメジロですが、なかなかいい場面に出会いません。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ゴイサギ

教育園を回り始めて直ぐに撮った写真、数時間後、帰る時も同じ木の上でした。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm シジュウカラ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm シジュウカラ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm シジュウカラ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm エナガ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm エナガ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm カワセミ

ここのところほぼ連日カワセミ/メスが水生植物園の池を中心にぐるぐる飛び回っています。次回、<カワセミ百態>としてまとめて載せましょう。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm カワセミ ダイブ

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ゴイサギ
木の上に陣取って、数時間動かず。この時は3時半ころ。この後すぐに飛び立ちました。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm アトリ
珍しくアトリが群れて来ています。後でまた登場します。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm モズ

ジョウビタキと思って撮ったのですが、どうやらモズくさい。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm ツグミ
昨年はツグミの大群が現れたのですが、今年はまだツグミはぽつぽつです。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm シメ 
水鳥の沼から出口にむかう小道はシメ/オスのテリトリー

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm

教育園の入り口にアトリが群れていました。何羽も木の枝にとまっています。人がいなくなると地面におりてガサガサ餌をあさります。

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Nikon1 V3 + Nikon1 70-300mm アトリ

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on1 V3 + Nikon1 70-300mm アトリ

今日はここまで。
プロフィール

山海旅人

Author:山海旅人
山海旅人
<南方から黒潮に乗って流れ着いた人の子孫と思われる>
趣味:おいしい魚をたべておいしいお酒を飲むこと。お魚の料理もいたします。海が近付くと元気になると人にいわれます。

座右の銘:<芸といふものは実(じつ)と虚(うそ)との皮膜(ひにく)の間にあるもの> 
実写とデフォルメの間に真実があるという意味です。

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